IGS通信 2015

国際シンポジウム:女性のリーダシップと政治参画

お茶の水女子大学創立140周年記念国際シンポジウム
「女性のリーダーシップと政治参画~グローバルな視点から」

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申 琪榮氏
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モナ・クルック氏
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スティール・若希氏
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黄 長玲氏
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小林 誠氏
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スーザン・フランセスカ氏
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 クレア・アネスリー氏
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 李 珍玉氏
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 足立眞理子氏
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 三浦まり氏
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 大山礼子氏
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2015年10月12日にお茶の水女子大学にて、グローバル女性リーダー育成研究機構・IGS主催の国際シンポジウム「女性のリーダーシップと政治参画~グローバルな視点から~」が開催された。
本シンポジウムは、本学創立140周年記念国際シンポジウムの一つであり、国内外から著名な研究者を迎え、グローバルな視点に立って女性のリーダーシップと政治的エンパワーメントについて考察を行ったものである。開会時には、本学の室伏きみ子学長、世界政治学会理事長の田中愛治教授、「政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟」(通称「クオータ議連」)会長の中川正春衆議院議員からそれぞれ開会の挨拶があった。
第一部「世界におけるクオータの潮流」では、小林氏(本学)の司会のもと、クルック氏(アメリカ)、スティール氏(東京大学)、黄氏(台湾)の3名が登壇し、三浦氏(上智大学)から各報告者へのコメントと質問があった。クルック氏は、国会議員に占める女性割合(世界平均)がこの20年間で約2倍になったこと、その原動力の一つがジェンダー・クオータの導入であり、現在、世界130以上もの国や地域で実施されていることを紹介した。各国のクオータ制に関する実証研究から、クオータ制反対派の「神話」を批判的に検証し、クオータ制が女性の政治的過少代表性の改善だけでなく、民主主義そのものの発展に寄与していることを主張した。スティール氏は「どちらの集団も支配しない」という「共同権限」の観点から自由概念を再検討し、民主的な非支配/共同権限を完全な平等(50/50)と固定せず、どちらかの集団が40-60%を占めるという段階的な基準を設けることを提唱した。黄氏は、台湾のジェンダー・クオータ(議席割り当て制)について、クオータで選出された女性議員のキャリアパスや政策審議や政策発案などの業務能力、特定の政策に対する態度などについて男女別、政党別の比較・検討を行なった。三浦氏は、女性の政治参画に関する日本の状況を「まさに『ビリギャル』である」と称した上で、各報告者に学術的な知見からの具体的なアドバイスを求めつつ、「日本がクオータ制導入の例外になるはずがない」と力強く述べた。
第二部「政治リーダーシップと女性閣僚」では、足立氏(本学)の司会のもと、フランセスカ氏(カナダ)、アネスリー氏(イギリス)、李氏(韓国)の3名が登壇し、大山氏(駒澤大学)が各報告者へのコメントと質問を行った。フランセスカ氏は、ジェンダー平等は、数字目標の達成だけでは達成されず、女性がより権力のあるポジション(例えば、財務大臣)に就くことが重要であると指摘した。アネスリー氏は、内閣におけるジェンダーバランスの向上において、ブラックボックスとなっている現行の内閣人事の非公式ルールが女性にとって不利に作用していることを指摘し、より透明な選考過程を導入し、新しい閣僚人事の公式ルールを適用することによって、女性閣僚数が増える見込みは大きいと述べた。李氏は、韓国初の女性大統領、パク・クネの政治的代表性(特に、象徴的代表性)を取り上げ、有権者がパク大統領を政治リーダーとして、そして「女性」としてどのように捉えているのかを分析した。大山氏は、日本の歴代および現在の女性閣僚と日本の内閣の特徴を紹介した上で、政党が女性の政治参画を進める努力を長年怠ってきたことを指摘し、政党の民主化や、閣僚人事の解明の重要性、反対勢力への対応などについて質問とコメントを述べた。
総合司会の申氏(本学)は、パネル・ディスカッションのまとめとして、パリテ(男女50%ずつ)が現在のグローバル・スタンダードであること、ジェンダー・クオータが女性だけでなく、男性や社会全体にとって良いことであり、全員が当事者であることを指摘し、今後もジェンダー平等や女性リーダー育成の研究と実践を積み重ねていくことを会場全員と確認した。
閉会には、本学の猪崎副学長と、「クオータ議連」事務局長のこうだ邦子参議院議員からそれぞれ挨拶があり、盛会のうちに本シンポジウムは閉幕した。

(記録担当:大木直子 グローバルリーダーシップ研究所特任講師)

→Report in English by Jiso Yoon

《開催詳細》
【日時】2015年10月12日(月・祝)13:00~18:00
【会場】お茶の水女子大学 共通講義棟2号館102号室
【挨拶】
・室伏きみ子(お茶の水女子大学長)
・中川正春(衆議院議員、政治分野における女性の参画と活躍を推進する議員連盟会長)
・田中愛治(早稲田大学政治経済学術院教授、世界政治学会理事長)
【総合司会】
・申琪榮(IGS准教授)
【司会】
・足立眞理子(IGS教授)
・小林誠(お茶の水女子大学教授)
【パネリスト】
モナ・リナ・クルック(ラトガース大学准教授・アメリカ)
「政治分野におけるジェンダー・クオータの現実と神話」
スティール・若希(東京大学准教授)
「世界における女性の政治的エンパワーメントの支援措置と戦略」
黄長玲(国立台湾大学副教授・台湾)
「クオータ制で当選した台湾の女性議員の実績」
スーザン・フランセスカ(カルガリー大学教授・カナダ)
「女性が代表するものは何か:ジェンダーと閣僚任命」
クレア・アネスリー(サセックス大学教授・イギリス)
「女性閣僚を増やす方法とその重要性」
李珍玉(西江大学社会科学研究所シニアリサーチフェロー・韓国)
「韓国初の女性大統領の象徴的代表性」
【ディスカッサント】
・三浦まり(上智大学教授)
・大山礼子(駒澤大学教授)
【閉会の辞】
・猪崎弥生(お茶の水女子大学グローバル女性リーダー育成研究機構長、副学長)

【主催】お茶の水女子大学ジェンダー研究所
【共催】お茶の水女子大学グローバルリーダーシップ研究所
【参加者数】146名

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