IGSセミナー「性と「ほんとうの私」:ナラティヴとしての生物学的本質主義」
日時:2018年2月28日(水)15~17時30分
会場:お茶の水女子大学人間文化創成科学研究科棟102室→604室
「男は/女は生まれつき○○だ」といった、性に関し「生物学的本質主義」とされるような内容を含む言説は、ポピュラー科学などさまざまな形で現れ、そのつど批判を受けつつもしばしば高い関心を集めている。本講演では本質主義的性言説をめぐる問題を、単に知識や事実認識の問題のみならず、人々が自らの人生を一貫したものとして理解するための自己物語に関わる問題として描き出したい。自己物語において、性はしばしば根本的な位置を占めるものとして捉えられている。特に本質主義的な含みを持たされた「性」や「男/女らしさ」は、自己物語の中でどのように働きうるのかを、自由意志や自律性、情動に関する哲学的議論を参照しつつ考えたい。関連する話題として、日本におけるトランスジェンダーの医療化をめぐる状況にも触れる。
講師 |
筒井晴香(東京大学大学院医学系研究科医療倫理学分野特任研究員) 「性と「ほんとうの私」:ナラティヴとしての生物学的本質主義」 |
司会 | 板井広明(お茶の水女子大学ジェンダー研究所特任講師) |
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関連文献
- 筒井晴香「男らしさ/女らしさ」とナラティヴとしての生物学的本質主義―男女共同参画の困難の根元を考える」『理想』第695号、146~157頁、2015年。
- 同“Brain Gender” Talk and the Relationship between Science and Narrative: Situations in Japan,『臨床哲学』 (16), 61-81, 2015.
- 同「性同一性障害は「心の性と身体の性のずれ」か―医療・脳科学における性別観を考える」『脳科学研究と倫理』資料集(2010年度) 25~45頁、2011年。
主催:ジェンダー研究所
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