IGSセミナー(生殖領域)「ケアのインフラストラクチャ―としての臨床データ報告:生殖補助技術(ART)の臨床結果登録に対するフェミニストアプローチ」
Data Reporting as Care Infrastructure: Feminist Approaches to ART Registries
日時:2020年7月16日(木)12:15~13:45
オンライン(zoom webinar)開催
医療において、よりよい臨床の実践をめざすとき、臨床データは非常に重要といえる。本セミナーの報告者は、こうした臨床データの報告をケアのインフラストラクチャーととらえ、日本・台湾・韓国で報告されている不妊治療の臨床データ(ART Data Reporting)に焦点をあて、これらを比較して、各国のデータ収集を行う主体や結果の公表のしかたの違いとその利点・問題点を分析する。そしてフェミニストの視点から、こうしたデータが利用者の利益となる健全な生殖補助医療につながるようにするためには、なにが重要かについて言及する。
Speaker : |
吳嘉苓 Chia-Ling Wu(National Taiwan University) |
Discussant: | 柘植あづみ Azumi Tsuge(明治学院大学) |
Moderator: | 仙波由加里 Yukari Semba (お茶の水女子大学 IGS) |
言語:英語(日本語逐次通訳付き)通訳者:坂井日南多(National Taiwan University)
参加申込(参加無料):zoom webinar参加申込フォーム
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要旨:
本研究で、私たちはフェミニスト的なケア研究に基づいて、臨床データの報告をケアのインフラストラクチャとして概念化した。このアプローチを用いて、私たちは関連データがコミュニティの倫理的義務を強化するために収集されたり、ケアの質を示す指標として提示されたり、健全な結果につながる臨床の実践を促進するエビデンスに基づいた政策づくりのためにどのくらい活かされているかを比較することができる。この概念を説明するために、日本、台湾、韓国における先端生殖補医療技術(ART)のデータレポートを比較し、分析する。 そして登録データをより良いARTケアに転換するために、思慮深い医療従事者や、ケアを中心におく国家官僚、フェミニスト活動家などの仲介者がいかに重要かを指摘する。
主催:ジェンダー研究所