2021. 7. 23 IGSセミナー「ジェンダー、エスニシティ、技能実習制度」
Gender, Ethnicity, Technical Intern Training Program
日時 | 2021年7月23日(金・祝) 14:30-17:30 (JST) / 12:30-15:30(WIB) |
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オンライン開催 | ZOOM Webinar | |
講師
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巣内尚子氏(ラバル大学大学院博士後期課程/東京学芸大学特任講師) 「パンデミックとジェンダー/エスニシティ:在日ベトナム人女性の困難と連帯の可能性」 |
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Waode Hanifah Istiqomah氏(一橋大学大学院博士後期課程) 「『理想の技能実習生』の育成:インドネシア技能実習生プログラムを事例として」 |
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ディスカッサント | Avyanthi Azis氏(インドネシア大学講師) | |
司会 | 平野恵子(お茶の水女子大学、IGS) | |
言語 | 英語(日本語同時通訳付き) | |
参加申込
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(要事前申込・登録制、参加無料) |
研究報告要旨 「パンデミックとジェンダー/エスニシティ:在日ベトナム人女性の困難と連帯の可能性」 新型コロナウイルスの流行以降、日本においては「女性」の困難に関する言説がみられるが、エスニシティの視点が欠けがちで、「移住女性」に関する議論は十分なされていない。しかし近年日本に暮らす人が増えているベトナム出身の女性の中には、コロナ以降、失職、減収、妊娠、帰国困難といった課題に直面する人が出ている。またベトナム人の間で同胞女性を支援する「下位の対抗的な公共圏/サバルタン・カウンターパブリックス(subaltern counterpublics)」(フレイザー 1992=1999)も生じている。本報告はエスニシティとジェンダーの視点を導入した上で、近年増加する在日ベトナム人の中でも女性に着目し、コロナがベトナム人女性に与えた影響を明らかにする。 「『理想の技能実習生』の育成:インドネシア技能実習生プログラムを事例として」 技能実習制度を通じて来日したインドネシア人若者の数は、過去10年間で急増している。1993年から開始したインドネシアからの派遣は、当初は建設及び製造業分野に従事する若年層かつ未婚男性の送り出しから展開してきたものの、現在はほかの分野および対象者にも拡大されつつある。今回の報告では、インドネシアで行われる「募集から出発まで」の全ての事前プロセスに焦点を当て、彼らが「理想的な技能実習生」としての健全な心身および模範的行動様式を獲得するためのメカニズムを明確にする。Killias(2019)によると、インドネシア人女性移住労働者に対する事前研修は、civilization process・文明化プロセスとして位置付けられている。本技能実習レジームも同様な様相を示している。その中でとりわけ議論すべき点としてあげられるのはマスキュリニティであると考える。それに加え、経験者および当事者自身がどのようにそれを受け止め、理解しているのかも合わせて紹介する。 |
登壇者紹介 巣内尚子氏 《代表的著作》
『奴隷労働:ベトナム人技能実習生の実態』(花伝社)
反貧困ネットワーク「貧困ジャーナリズム賞」受賞(2019年)
Waode Hanifah Istiqomah氏 Avyanthi Azis氏 《代表的著作》
「不完全な犠牲者と不完全な条約:インドネシア人漁業移民の人身取引経験の検討」(Ridwan Wahyudi との共著、Journal of Human Traffickingパレルモ条約20周年記念号所収)
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主催:お茶の水女子大学、IGS
共催:科研費・基盤B「再生産領域の国際性別分業における日本の家事・ケア労働者の歴史的系譜と連帯」(19H01578)