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2/17 セミナー「「棄民」を記録する:今村昌平・ドキュメンタリー映画…」

2023.2.17 IGSセミナー
「「棄民」を記録する:今村昌平・ドキュメンタリー映画『からゆきさん』(1973)再考」

※映画の上映はありません

2023年2月17日(金)14:00~16:00
Zoom Webinar・対面 ハイブリッド開催
会場:国際交流留学生プラザ3階 セミナー室

映画監督・今村昌平は、1971年より一連のテレビ・ドキュメンタリーの制作に着手する。「棄民シリーズ」と題されたこの中編群で、未帰還兵の取材のために訪れた東南アジア各地にて、今村は元「からゆきさん」の日本人老女たちに出会う。そうして完成したのがドキュメンタリー『からゆきさん』(1973)である。それ以前にも今村は劇映画において、度々、寒村出身の女性主人公が日本の近代/前近代に翻弄される様子を性の主題とともに捉えてきた。と同時にそれら今村の劇映画は、徹底した取材とロケ撮影を重視したドキュメンタリー的な要素を併せ持つものでもあった。『からゆきさん』は、実際の元「からゆきさん」の女性たちを映像に記録している一方で、今村の劇映画の延長線上にあり、今村作品のジェンダー表象を再考するにあたっても重要な位置を占めるものである。本セミナーでは、この貴重なドキュメンタリー作品を、映画学と歴史研究の立場からそれぞれ考察し、本作を捉えなおす機会としたい。

(※映画の上映はありません)

報告 片岡佑介(一橋大学ほか非常勤講師、立教大学ジェンダーフォーラム教育研究嘱託)
  嶽本新奈(IGS特任講師)
司会 大橋史恵(IGS准教授)
言語 日本語
参加申込
要事前申込・登録制(参加無料)
オンライン参加:申込フォーム
対面参加:申込フォーム

<報告者略歴>

片岡佑介

一橋大学ほか非常勤講師、立教大学ジェンダーフォーラム教育研究嘱託。専門は映画学、表象文化論。研究テーマは原爆映画。主な論文に「占領の表象としての原爆映画におけるマリア像:熊井啓『地の群れ』を中心に」(『忘却の記憶 広島』月曜社、2018年10月)、「女性像からみる原爆映画:スター、ヒロインと被爆者像の交錯」(『立教大学ジェンダーフォーラム年報』21号、2020年3月)など。


嶽本新奈

お茶の水女子大学ジェンダー研究所特任講師。専門は歴史学、歴史社会学。研究テーマは「からゆきさん」、移動、性労働、再生産労働など。主著に『「からゆきさん」:海外〈出稼ぎ〉女性の近代』共栄書房(2015)、「『からゆきさん』再読:「生まない女」に着目して」 『現代思想 11月臨時増刊号 総特集・森崎和江』第13号50巻(2022年11月)、「優生思想と「純潔/純血」イデオロギー:海外日本人娼婦をめぐる廃娼運動の言説」『シモーヌ 特集:生と性 共存するフェミニズム』vol7. (2022年12月)など。

 

主催:お茶の水女子大学ジェンダー研究所