2023.3.13 IGSセミナー「家電と暮らしのポリティクス」
2023年3月13日(月)15:00~17:00
Zoom Webinar・対面 ハイブリッド開催
会場:国際交流留学生プラザ2階 多目的ホールBC
私たちの日常においてどのような家電製品がどう普及するかという問題は「パーソナル」そして「ドメスティック」であると同時に非常に「ポリティカル」である。1983年にルース・シュウォーツ・コーワンがその著書『お母さんは忙しくなるばかり』において論じたように、19世紀から今日に至るまで、電化製品の技術開発から商品流通までの過程は、国家による基礎的なインフラストラクチャ―の整備や産業政策の推進の歴史と強く結びついてきた。コーワンの研究はそのようなテクノロジー・システムの下で、家電の技術革新によって家内労働が多様化・複雑化したこと、「清潔さ」や「健康」をめぐる責任がジェンダー化されていったことを描き出した。
本セミナーでは、日本の政治経済秩序の変化の下での「ドメスティックな」労働関係の変容について、家電を基軸に、ジェンダーの視点から読み解いていく。日本社会では高度経済成長期に非農林業における雇用が急拡大し、その反面で女性の就業が減少し「主婦」が拡大していったことが知られる。こうした変化において家電がどのように普及したのかを、農村部と都市部の差異やその意味にも目を向けながら、あらためて議論していく。
コーワンの研究から40年経った今日でも、テクノロジーが暮らしを楽にするという言説は広く流布し、消費者の欲望を喚起し続けている。家電と暮らしの政治経済史を批判的にふりかえることで、私たちがどのような局面を生きてきたのかを確認することを目指したい。
報告 | 村瀬敬子(佛教大学社会学部教授) 「家庭電化と家事労働のポリティクス:高度成長期における宣伝・広告を中心に」 |
岩島史(京都大学大学院経済学研究科講師) 「戦後農村における家電の普及とジェンダー」 |
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ディスカッサント | 大橋史恵(IGS) |
司会 | 嶽本新奈(IGS) |
言語 | 日本語 |
参加申込 |
要事前申込・登録制(参加無料) オンライン参加:申込フォーム 対面参加:申込フォーム |
主催:お茶の水女子大学ジェンダー研究所