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10/14 シンポジウム「アラブ社会の女性と逸脱」

国際シンポジウム「アラブ社会の女性と逸脱:グッドとバッドの境界で」

日時:2018年10月14日(日)13:00~16:30
会場:お茶の水女子大学共通講義棟1号館304室

コーディネーター:ジャン・バーズレイ(ジェンダー研究所特別招聘教授/ノースカロライナ大学チャペルヒル校教授)

アラブ世界の社会規範に異議を唱えるような、女性たちの逸脱的な言動や考え方は、アラブ社会に不安感を引き起こしたり、公的議論を巻き起こしたりしています。そのような女性たちの意図的・非意図的な逸脱は、適切なふるまいとはなにかを規定する社会的・文化的規範構造と、ジェンダー・人種・階級区分を社会的・政治的に統制する力の存在を、どのように暴き出しているのでしょうか?

この問いに向き合い、様々な年齢、階級、学歴のアラブ世界の内外の女性たちの経験をもとに考察したのが、2017年秋に刊行された『アラブ世界のバッド・ガールズ』です。本書は、女性たちは社会変化の主体であり、逸脱がその体現であること、そして逸脱はまた、抵抗と抑圧の現場であることを明らかにしています。そして、国際的な社会文化的影響と植民地主義の遺産が、どのように女性の不良行為を規定しているかを明示しつつ、21世紀の良・不良の境界における、女性たちの多様な経験を豊かに描き出しています。シンポジウムでは、本書の議論を継続し、女性たちの逸脱、アイデンティティ、アラブ社会の内外に属することの政治について探求します。

プログラム
趣旨説明

ジャン・バーズレイ(ジェンダー研究所特別招聘教授/ノースカロライナ大学チャペルヒル校教授)
「日本のバッド・ガールズ:逸脱とリーダーシップ」

研究報告

ナディア・ヤクーブ(ノースカロライナ大学チャペルヒル校教授)
「アラブ世界のバッド・ガールズ」

ディヤ・アブド(ノースカロライナ州グリーンズボロ准教授)
「米国とアラブ社会における愛情と逸脱を生きる:文化越境者としてのジレンマ」

コメント
戸谷陽子(お茶の水女子大学教授)

日英同時通訳あり
参加申込(入場無料) 申込フォーム

プログラム終了後に交流会を開催いたします(16:30~17:30)

研究報告要旨

ナディア・ヤクーブ「アラブ世界のバッド・ガールズ」
本報告では、『アラブ世界のバッド・ガールズ』(故ルーラ・カワス博士と共編)を構成する基本概念と、その概念への執筆者たちによる多様なアプローチに焦点を当てます。なぜ「逸脱」という概念を選んだのか、逸脱と抵抗の違いは何か、逸脱についての学際的な考察から得られる洞察は何か、といった点についてお話しします。まとめとして、逸脱への着目から見えてくる事がらについて考察します。伝統的に女性が担う仕事により維持されてきた親密な関係性を、逸脱は、どのように変容させたのか?家事や育児や食をめぐる習慣は、どのように、女性たちに独創的な抵抗の方法を編み出させたのか?そうした、人と人との関係のありようを育み、文化を次世代へ伝える女性たちの仕事には、愛と絆がある一方で、常に、抑圧と強要という緊張が存在するのです。そして、そこはまた、見えかくれしながら連綿と続く、逸脱の現場でもあるのです。

ディヤ・アブド「米国とアラブ社会における愛情と逸脱を生きる:文化越境者としてのジレンマ」
本報告は、私の米国とヨルダンでの経験のメモワールです。西洋で教育を受けた研究者として、私は、9.11以降の米国社会と保守的なヨルダン社会のいずれでも、居心地の悪さを感じていました。この二つの異なる環境には、それぞれに、アラブ系イスラム教徒の女性研究者兼運動家に対して、様々な、かつ競合する期待が存在しています。そのため、ヨルダンでは、反アラブ、反イスラムとみられないように、そして米国では、女性運動に反対する立場とみられないように、いつも綱渡りをしている感じでした。自分の中のフェミニズムとナショナリズム、女性性とアラブ性、フェミニストとしての切望とポストコロニアルな様相を、うまく制御して適応しようと努めましたが、どちらの環境においても「良い」とみなされるのは不可能だと思い至りました。そこからの脱却は痛みを伴うものでした。学生や子どもたち、そして私が主催する「すべてのキャンパスに難民を」プロジェクトが支援する難民たちの経験を通して、文化の狭間に居場所を作ること、その困難に生産的で意義のある向き合い方をすることが出来るようになったのです。

 

主催:お茶の水女子大学ジェンダー研究所


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